少し前に、長男が学校でいじめについて学んだそうで、
そのことについて親と話をするという宿題が出ていたので
色々と話をしました。
簡単に言うと、教室に弁護士が来て、
いじめをしてはいけない理由を次の3つにまとめて学んだそうです。
1.いじめは取り返しのつかない結果を招くから。
2.いじめは犯罪になるから。
3.いじめは人権の侵害になるから。
わたしは、この3つの理由を聞いて、
「んん~~~??」となってしまいました。
全く、しっくりこなかったのです。
間違ったことを言っているわけではないけど、しっくりこない・・・
長男も、2番目の理由はおかしいと思っていて、
「じゃあ犯罪にならへんことやったらやってもいいんか? ってなるやん?」
と言っていました。まったくもってその通りです。
例えば、友達の言葉を無視するのは犯罪にはなりませんが、
状況によってはいじめにはなります。
長男との話は、私の考えがまとまらないうちに終わってしまいましたが、
その後も考え続けてようやく「しっくりこない」理由が解りました。
上記の3つの理由は、いじめられる本人の気持ちをまったく考えていないのです。
誤解を恐れずに言えば、いじめる側の不利益を説いているんだと思います。
取り返しのつかないことというのは、
いじめられた人が自殺してしまうことを指しているのだと推測します。
いじめの相手が自殺してしまったら、
命を戻すこともできないし、
謝ることもできないし、
許してもらうこともできない。
だから、やめとけ。
いじめは犯罪にあたるから、
明るみに出れば罰を受けることになる。
だから、やめとけ。
いじめは相手の人権を侵すことになる。
人権は侵してはいけない。
だから、やめとけ。
ん-、そうじゃない。
間違ってないけど、そうじゃない。
いじめがダメなのは、いじめられる人が嫌な思いをするから。
人に嫌な思いをさせてはいけない。
いじめがダメな理由なんて、これで十分だと思います。
これは道徳です。
一方、上の3つの理由は制度の話です。(1はちょっと違いますが)
弁護士は、法律という「制度を明文化した物」のプロですから、
このような切り口になったんだと思います。
繰り返しますが、間違ったことは言っていないと思います。
でも、切り口が違う。
いじめは、制度でなくて道徳でしか根絶できないと思います。
人の気持ちを想像し、思いやることが絶対に必要です。
ゲストを招くなら、次はお坊さんにお話をしてもらってはどうでしょうか。
きっと、別の切り口で話してくれると思います。
ちなみに、いじめの学習は、道徳の時間ではなく学活の時間だったそうです。
道徳の教科書の内容に合わなかったのかな?
というのは、勘ぐりすぎでしょうか。