説明
本書はヴィゴツキーの理論のなかで「発達の最近接領域」を取りあげ、さまざまな教育実践現場で活躍している現役選手たちによる考察をまとめたものである。発達の最近接領域そのものの理論的検討、自己の実践のなかに落とし込み位置づけをする作業、そして省察、そのあと理論と実践とを鍛えなおし次のより高次の段階を眺望する…。まさしく温故知新のごとき営みを結集している。読者におかれては、いずれの編・章から読み進めていただいても結構かと考える。
目次
第1編 理論編(上)
第1章 発達の最近接領域の概要
第2章 ヴィゴツキーの研究史に学ぶ、教育における理論と実践の関係
第2編 実践編(幼・小・中・高・大)
第1部 幼児期・就学前の実践
第1章 遊びの中で創造される発達の最近接領域とそれを支える子どもの関係性
第2部 小学校の実践
第1章 小学校1年生の読み書き計算―発達の最近接領域を広げる授業に―
第2章 子どもが動き出す健康教育の授業づくり―子ども・親・教師が対話の授業でつながる!―
第3章 子どもの願いと教師との信頼関係が創り出す新たな発達の回り道
第3部 中学校の実践
第1章 生徒が主体的に学ぶ協同学習と『発達の最近接領域』を織り交ぜた中学校英語の工夫
第4部 高等学校の実践
第1章 高校英語授業における『発達の最近接領域』―人格発達を志向する実践例―
第2章 高校英語における協同学習と主権者教育の実践
第5部 大学(教職課程)の実践
第1章 大学(教職課程)における理論と実践
第3編 理論編(下)
第1章 『発達の最近接領域』と年齢期と環について
第2章 発達の最近接領域のとらえ方—認識論・存在論・行為論をもとに—