オンラインストア

ダイバーシティ・インクルージョン保育を進めるための園経営ガイドブック

¥ 2,600 (税抜)

編著者:田中 謙、小川 英彦

編著者:田中 謙、小川 英彦、高尾 淳子、平野 仁美、渡邊 眞理、櫻井 貴大、平田 兼久、濱口 実紗希、金森 由華、平岩 ふみよ、瀧澤 聡、清水 ゆき、樋口 一成、麓 洋介、浦野 忍、北野 明子、里見 達也、野村 敬子、吉田 貴子、杉江 栄子、阿諏訪 勝夫、新井 あゆか、田中 裕子、伊多波 美奈、青柳 修平、中川 陽子、水野 恭子、池田 幸代、大津 雅之
発売日 : 2024年7月15日
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : A5版:222ページ
ISBN-13 :  978-4-908877-55-1

カテゴリー: , ,

説明

本書は『ダイバーシティ・インクルージョン保育』(2022年刊行、三学出版)の続刊である。
①園経営の基本、②園内支援体制整備、③園経営の実践事例とそのポイント解説、④Q&Aという構成になっている。
これは、単なる理論書でもなく、事例集でもない。理論と実践をリンクさせながら、今日幼児教育施設が抱える多様なたいへんさを解決しようとする試みである。試みというのは、これまでにこの種の書籍がわが国では皆無であったこと、さらに、幼児教育施設では多様な特別なニーズのある子どもたちを目の前にして「どのように実践したらよいのか」という声が多く聞かれるので、その解決策の一助になればと考えたからである。本書を通して、子ども・保護者・保育者の良好な関係が築かれ、子ども支援のひとつの方向性になればと思う次第である。まさしく、園づくりの中での保育の質の向上をめざすことになろう。

目次

第1章 障害や特別な支援ニーズのある乳幼児の理解

第1節 なぜ園全体での共通認識をはかる必要性があるのか
第2節 障害面で「気になる子」の行動について
第3節 発達障害児について
第4節 外国にルーツのある子どもについて
第5節 子どもの貧困について
第6節 「合理的配慮」を園内の共通認識に
第7節 まとめ

第2章 経営理念形成と理念経営

第1節 ダイバーシティ・インクルージョン社会
第2節 ダイバーシティ・インクルージョン保育
第3節 組織マネジメントと経営理念
第4節 経営理念と理念経営
第5節 幼児教育施設における理念経営
第6節 ダイバーシティ・インクルージョン保育を推進する理念経営のポイント
1.経営理念について語る場の設定
2.組織の柔軟性を高める

第3章 経営組織の整備

第1節 幼児教育施設の経営組織
第2節 ダイバーシティ・インクルージョン保育を進めるための幼児教育施設の経営組織
1.運営管理
2.財務管理
3.人事管理
4.事務管理
第3節 まとめ

第4章 人事配置・人材育成

第1節 人事配置基準
1.幼稚園・保育所・認定こども園(幼児教育施設)の職員配置基準
2.要支援児数の実態調査
3.インクルージョン保育の推進に関する施策の動向
4.人事配置は誰が、どのような尺度で決定するのか
5.インクルージョン保育を推進するための人事配置
第2節 ダイバーシティ・インクルージョン保育実践者の人材育成
1.幼稚園の状況【熟練層の教諭が少ない私立幼稚園】
2.保育所の状況【ミドルリーダーが育ちづらい保育所】
3.ダイバーシティ・インクルージョン保育実践者の人材育成
4.保育KI活動
5.保育KI活動で取り扱うテーマ
6.保育KI活動を通じてリーダーが育成される
7.若手がチャレンジできる体制づくり
8.保育KIの導入・継続とダイバーシティ・インクルージョン保育の推進

第5章 園内委員会・ケース会議

第1節 子どもを取り巻く環境
1.保育現場の現状
2.多様化と家族支援
3.求められる保育者の専門性
第2節 園内委員会
1.園内委員会の必要性
2.組織の一員としての共通理解
3.子どもに対応するために必要な保育者の専門性
第3節 ケース会議
1.児童発達支援を受けながら保育所に来ている子の記録の方法
2.子どもの困りごとに対応する工夫について取り上げ園内でケース会議を開催する

第6章 研修(講演)・園内研究

第1節 研修および園内研究の意義
第2節 OODAループ
1.OODAループの特徴
2.OODAループのプロセス
3.保育現場におけるOODAループの活用
第3節 組織内で職員が学び合う機会、コミュニティづくり
第4節 まとめ

第7章 療育の理解

第1節 「療育」という言葉をめぐって
第2節 「療育」の先駆者が託した考え方―戦前と戦後において―
1.「療育」の萌芽―柏倉松蔵の主張を通して―
2.「療育」という用語の提唱―高木憲次のドイツ思想の紹介を通して―
3.重症心身障害児施設「島田療育園」の「療育」―小林提樹の主張を通して―
4.重症心身障害児施設「びわこ学園」の「療育」―糸賀一雄と岡崎英彦の主張を通して―
第3節 もうひとつの「療育」の提唱―高松鶴吉の主張を通して―
第4節 今日的な「療育」の特徴
1.子どもの発達支援と家族支援をする
2.障害児者のライフステージをトータルにみる
3.地域における支援システムをつくる
4.専門性を発揮し、相互に補完する
5.今日的な「療育」を推進するための研修

第8章 (実践例)主任・副主任・職務分野別リーダーの養成

第1節 担任保育士を支える
第2節 事務室対応の保育
第3節 情報共有
第4節 研修を園内にいかす
第5節 主任、副主任、職務分野別リーダーの役割と養成
1.保育者に寄り添う役割
2.チーム・協働
3.養成について
4.ダイバーシティ・インクルージョン保育の今後に向けて

第9章 (実践例)加配保育士や特別支援教育支援員の養成

第1節 加配保育士と特別支援教育支援員とは
1.加配保育士とは
2.特別支援教育支援員とは
第2節 加配の実態
第3節 加配の養成に対する誤解
第4節 加配保育者を養成していくために
1.担任保育者とは異なった加配保育者の専門性とは何か
2.担任保育者とどのように連携をしていけばよいのか
3.加配保育者を養成するためにできること

第10章 (実践例)OJTを通した保育者の専門性向上

第1節 幼児教育施設内外で行われる研修とOJT
第2節 事例から考えるOJTのポイント
1.A幼稚園のダイバーシティ・インクルージョン保育の考え方
2.気管切開して話せないM
3.療育機関に通っていたN
4.座って笑うことしかできないK
5.考察
第3節 ダイバーシティ・インクルージョン保育におけるOJT

第11章 (実践例)園内協働体制の構築事例

第1節 職員間の協働体制の重要性
第2節 職員間における入園前の方針検討
1.事例内の園について
2.Aの入園に向けた検討内容
第3節 日常的な情報共有の重要性
1.入園直後の課題と仲間関係の構築
2.初めて経験する活動への挑戦
第4節 就学に向けた情報共有
第5節 園における情報共有の場
第6節 園内の協働体制構築のポイント

第12章 (実践例)保護者相談支援のための組織づくりとその運用

第1節 組織改革のきっかけとなった事例
1.父親への支援がきっかけになった事例
2.保育者と保護者ともに「自分のせい」にした事例
3.他の保護者からの要望で園がかわった事例
4.母親がネット検索に頼り協力が得られない事例
第2節 明らかになった課題に対する組織づくりの実践
1.相談しやすさと保護者の孤立防止
2.正しい情報の取得と発信
第3節 保護者相談支援と保育者の諸問題

第13章 (実践例)医療的ケア児とともに生活するための支援体制整備

第1節 A幼稚園の概要
第2節 支援体制整備
1.看護師採用決定、園内での連携
2.C看護師の業務
3.規定等整備
4.医療的ケア児とその家庭を支援するための連携
5.支援に関するエピソード
6.今後の課題

第14章 (実践例)園と児童発達支援事業所との連携事例

第1節 はじめに
第2節 児童発達支援事業の概要
1.児童発達支援事業の法的な位置づけ
2.児発管の役割
3.児童発達支援のサービス内容
第3節 札幌運動支援Ⅰの児童発達支援の実践例特色
第4節 札幌運動支援友愛Ⅰの事例
第5節 おわりに

Q&A

Q&A1 いろいろな子どもたちの思いや感動を出発点とする造形活動・アートとは?
Q&A2 音楽表現遊びの視点から考える外国にルーツのある子どもへの支援とは?
Q&A3 多様なニーズのある子どもたちの運動遊びを豊かにするためには?
Q&A4 ICTを活用する具体的場面と導入時の留意点は?
Q&A5 多国籍の異文化背景をもつ子どもの生活を支えるには?
Q&A6 重度・重複障害児もともに育つ環境を整えていくためには?
Q&A7 就学に向けた実践例と幼保小接続のポイントは?
Q&A8 外国にルーツのある子ども支援における通訳者を活用とした支援の事例とポイントは?
Q&A9 早期支援につなげていくための保護者との連携とは?:5歳児健診も踏まえて
Q&A10 CODAの保護者との関わりと支援の際のポイントは?
Q&A11 園経営(園づくり)の視点から考える地域との連携とは?
Q&A12 心理専門家による「巡回相談支援」と「保育所等訪問支援事業」を活用するポイントは?
Q&A13 保育者養成校と連携して実践を進めるためには?
Q&A14 ボランティア学生を活用しながら、学生の育成を図るには?
Q&A15 放課後等デイサービスと接続する際の配慮事項は?
Q&A16 乳児院・児童養護施設・児童相談所と進める連携とは?
Q&A17 乳幼児と高齢者の世代間交流の際の関わりを深めるためには?
Q&A18 乳児保育を進めていくための職員間連携とは?
Q&A19 保育者の働きやすい環境づくりと実践例は?
Q&A20 障害のある保育者(保育補助者)雇用を通してダイバーシティ・インクルージョン保育を進めていくには?
Q&A21 ソーシャルワークにおける「自己覚知」を活用した研修方法は?