説明
わが国の障害児(者)の生活と教育は、戦前からの先駆的実践者の長年の文字通り血の滲むような開拓的な努力のもとに、戦後の日本国憲法の人権の尊重の原則に支えられ、向上・発展してきた。障害児教育福祉の歩み、歴史とは過去との対話を通した未来のへの遺産継承の営みである。それゆえに、資料が、過去と現在を、さらに、現代と未来を結ぶ架け橋になっている。戦前の障害児教育福祉分野における貴重な資料は多く存在するが、本書は、障害児が置かれた実態を地域ごとに明らかにするための資料集成という性格をもつ。前著『障害児教育福祉史の資料集成―戦前の劣等児・精神薄弱児教育―』は戦前の学校教育領域が対象であったが、続編である本書では課題戦前の福祉領域を対象としている。前著とあわせて、今後の障害児問題にかかわる教育、福祉、医療、労働などの関係者に役立つことを願っている。



